「実家を誰が相続するか、まだ決められないので、とりあえず兄弟で共有にしておこうと思っています」
相続不動産のご相談では、こんなお話を聞くことがあります。
兄弟仲も良いし、今すぐ売る予定もない。
それなら共有でも問題ないように思いますよね。
もちろん、共有すること自体が悪いわけではありません。
ただ、不動産の場合は、「今は問題ない」ことと「将来も問題ない」ことは別です。
たとえば兄と妹の2人で実家を相続したとします。
数年後、兄は「売りたい」。
妹は「思い出の家だから残したい」。
こうなると、話し合いが必要になります。
さらに時間が経ち、兄や妹が亡くなれば、その持分をそれぞれの相続人が引き継ぐ可能性があります。
最初は兄妹2人だけだった共有者が、次の世代では甥や姪などに広がっていくこともあります。
すると、実家をどうするか決める時に、関係者が増えて話が複雑になってしまう場合があります。
だから、実家を相続するときには、
「とりあえず法定相続分で分けよう」
だけではなく、
「この家を5年後、10年後にどうしたいのか」
まで少し考えてみてほしいのです。
誰かが住む予定があるのか。
賃貸として活用するのか。
いずれ売却するのか。
誰も使わない可能性が高いのか。
それによって、相続の仕方も変わってきます。
そして、ここでも大切なのが、実家の現在の価値を知っておくことです。
例えば実家を長男が相続し、他の相続人には別の財産を渡すという方法を検討する場合でも、不動産の価値が分からなければ公平な話し合いがしにくくなります。
相続というと、どうしても「税金はいくら?」というところに目が向きがちです。
でも、不動産については、
「誰の名義にするか」
「誰が管理するか」
「将来どうするか」
この3つも、とても大切です。
相続が起きてから家族で初めて話すよりも、親御さんが元気なうちに、
「この家、将来どうしようか?」
と一度話してみる。
それだけでも十分な相続対策の第一歩です。
私は不動産の立場から、売却だけでなく、残す・貸す・売るという選択肢を整理するところからお手伝いしています。
「まだ相続も起きていないし、何も決まっていない」
そんな段階だからこそ、できることがあります。
実家のこれからについて、家族で話すきっかけを作ってみてはいかがでしょうか。


